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おいしい関係

第3章 2

料理を食べては弛む顔を、慌てて引き締める。
そんな事を繰り返す彼女を、俺は飽きる事無く見つめ続けていた。



「‥‥さんっ!」

「真田さんっ!」


自分を呼ぶ声に、驚いて振り返ると

俺の店でコック見習い兼ホール係りとして働いている、この店唯一の従業員の〈前田〉が困惑顔で俺の事を見ていた。



「どうした?」

「どうしたはこっちの台詞ですよ。どうしたんですか?ボーッとして。
そろそろ、あそこの席のお客様のドルチェの準備しないと。」



はっ!として見ると、例のお一人様の女の子の皿は、ほぼ空になっていた。

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