ガーディスト~君ヲ守ル~
第7章 闇の声
鈴木は再び書類に目を通す。
「お若いのに、BMWのM3に乗ってるんですかぁ、羨ましいです!」
もちろん祐司のではない。
「維持費がかかるので、軽自動車に替えようかと思いまして…」
「あ~世知辛い世の中になってきましたもんね…わかります」
「オススメはありますか?」
祐司が聞くと、鈴木はう~んと新車のパンフレットを選び出した。
「これとこれなんかどうですか?」
パンフレットを祐司に渡す。
「軽だけどけっこう走るんですよ~」
祐司はパラパラとパンフレットをめくる。
「新車選びって、迷いますよねぇ~」
「…」
「僕も今…迷って…るんです…」
急に鈴木のテンションが下がったので、不思議に思い、祐司は鈴木の方を見た。
鈴木の目は笑っていない。
「迷ってるんです……つぐみにしようか、つばきにしようか…」
「!」
鈴木はニヤリと不気味に笑う。
「お前っ…」
祐司は鈴木を、鋭い目つきで睨んだ。