ガーディスト~君ヲ守ル~
第7章 闇の声
2人がその場から去って行くと、鈴木は腰を下ろした。
「そんなに大事なんだね、彼女らのこと。なんだか妬けちゃうなぁ」
「…」
「ボク、そんなユウジくん、見たくな~い」
鈴木は頬を膨らませた。
「…殺しちゃおうかな…」
ガタンッ!!
言葉を言い終わる前に、祐司は鈴木の襟元に掴みかかった。
尋常じゃない雰囲気に、その場にいる全員が2人を見た。
(ゆーじ!? なにして…)
つばきも目を丸くした。
いつもクールで穏やかな祐司が、感情剥き出しで怒っている。
「お、お客様!どうかなされましたか!?」
スタッフが数人駆け寄る。
「フフ…今日はここまでにするよ、じゃあね」
鈴木はそう言って、一瞬フッと意識を失った。
祐司は険しい顔をしたまま、ゆっくりと手を離す。
「…あれ?僕、何してたんだっけ?」
元の鈴木に戻ったようだ。
「…申し訳ありませんでした」
深く頭を下げる祐司。
「お客様…?」
皆が茫然とする中、祐司は無言でその場を後にした。
つばきは心配そうに、祐司の後ろ姿を見つめる。
(ゆーじ…どうしちゃったの!? ああ…もう、今すぐ追いかけたいよっ…)
でもまだ面接終わってないし、あたしがゆーじと知り合いだと思われたら、つぐみさんに迷惑かかる…
つばきは、ぐっと我慢した。