ガーディスト~君ヲ守ル~
第8章 過去
祐司は武本の目の前に立った。
「ん?どうしたぁ?祐司くん」
武本は笑顔で、祐司の頭を撫でた。
「祐司、どうしたんだ、あっちで遊んでなさい」
眉間にシワを寄せた父親が、うっとおしそうに祐司を追いやる。
早く伝えなければ…
祐司はそう思った。
「あのね…おじちゃん」
「ん?」
「おじちゃん…死んじゃうの」
「え?」
祐司の言葉に、皆の動きが止まる。
が、ブフッと吹き出し、再び陽気な笑い声が響いた。
「おもしろいこと言うね~祐司くん」
武本は祐司の頭を、ポンポンと叩いた。
しかし父親の顔だけは真っ青になっていた。
「祐司!!」
父親は祐司の腕を掴む。
「こっちに来なさい!!」
そうやって強引に奥の部屋に引っ張っていく。
鋭い目つきで睨まれて、怯える祐司。
目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
ズルズルと引きずられて、奥の部屋に放り投げられた。
体が畳に叩きつけられ、全身に痛みが走る。
「ここでおとなしくしてろ!!」
バンッと扉を閉められた。
「おと…さ……」
暗闇の中で、祐司はクマのぬいぐるみを抱きしめながらうずくまった。