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ガーディスト~君ヲ守ル~

第8章 過去




数日後。
父親は真っ青な顔をして、家に帰ってきた。 
その様子に母親の京子は、どうしたのかと聞く。



「武本が…死んだ」



ショックを受け、京子は震えた手で口を覆う。



「飛び降り自殺らしい…」



泣き出す京子を抱きしめながら、父親は言葉を続けた。



「あと変な噂が立ち始めた」

「え?」

「祐司のことだ」



京子は首を傾げた。



「先週、武本たちがうちに来ただろう。京子が出かけてる時に、祐司が突然武本に言ったんだ…」



京子は固唾を飲んだ。



「おじちゃん死んじゃうよ、って」

「まさか…」

「人の死を当てるなんて、気味が悪いと…」

「祐司はそんなことしないわ!」

「お前だって気づいているだろう、あの子は普通とは違う、おかしいって」

「やめて!」

「……オレはこんな思いをしたくて子供が欲しかったんじゃない」

「なに言ってるの…」

「あんな子供ならいらない!」



京子は愕然とした。




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