ガーディスト~君ヲ守ル~
第8章 過去
女は祐司の首に腕を回した。
「英司さんの息子がどんな子か見たかったの…」
そう言いながら、女は顔を近づけてくる。
祐司は女の腕をふり払おうとしたが、なぜか身体が動かない。
「やめ……」
女の唇が、祐司の唇を奪った。
舌がにゅるりと入ってきて、嫌悪感が全身に広がった。
祐司は強く目をつぶる。
「フフ…かわいい」
女は舌先で、祐司の首筋をなぞった。
「…っ」
苦痛に顔を歪ませる祐司。
その時、玄関のドアが開いた。
「…何を…している…」
声の主は祐司の父親、英司だった。
英司は目の前で起きている状況に、目を見張った。
祐司の口の周りについた口紅を確認すると、英司は怒りの矛先を祐司に向けた。
「まだお前はオレの邪魔をするのかあ!!!!」
バキッ!!
瞬間、祐司は左頬を殴られる。
胸倉を掴まれ、何度も何度も殴られた。