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ガーディスト~君ヲ守ル~

第8章 過去




「ふ…フフ…」



男は肩を揺らしながら笑い出した。



「…ユウジくん、かっこよすぎて笑っちゃうよぉ」




「…」





「ボクが女なら惚れちゃうね…」



男は舌で上唇を舐める。





「なに気色悪ぃこと言ってんだよ…」



護の全身に鳥肌が立った。

祐司はゆっくりと男に近づく。



「アハッ…どうしたの、ユウジく…」



「俺は逃げていた、お前から」



「…え」




男の顔色が変わった。



祐司の瞳には、憎しみや怒りなどが消えている。



「俺は、お前との約束は守れない」




「…なに…いってるんだよ…」




「もう終わりにするんだ」




「イヤだ!!!!!」



「うわっ…!」




男が叫ぶと、突如ビリビリと護の体に電流が走った。
護はおもわず男の腕を離してしまう。
その隙に男は、その場から離れた。



「イヤだ、イヤだ、イヤだ!!
そんな慰めはいらない…聞きたくない!!」




そう言って、男は家の外に飛び出した。
護が追いかけようとすると、祐司が制する。



「彼はいずれまた、俺のもとに来るだろうから…」




絶対に…




「…わかった」






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