ガーディスト~君ヲ守ル~
第8章 過去
つばきは祐司の顔を見上げた。
(良かった…いつもの穏やかな祐司だ)
ホッとした。
だけど…さっきの男と知り合いみたいだった。
すべてを終わらせるって、どういうこと?
(ゆーじ…)
何かを抱えてるの?
あたしはもっと、ゆーじのことが知りたいよ…
つばきは、何日分かの着替えを鞄に詰め込み、車に乗り込んだ。
「どこに行くんですか?」
運転をする圭吾に話しかける。
「そうですね、警護するにはビジネスホテルのほうが最適でしょうが、狭い空間に何日もいるのは窮屈でしょう…社長の別荘にでも行きますか」
「別荘?!」
聞き返したのは、護だった。
「あの人、そんなもんまで持ってたのかよ」
助手席で話す護。
「マイホームに高級車、別荘…そんなにあんなら、俺らの給料あげてほしいね」
「社長に伝えておくよ」
圭吾はクスッと笑った。
「いや、いい」
不満を言ったら、またなにをされるかわからない。
「別荘かぁ…いいかも」
つばきはワクワクした。
「しばらくは、私たちも一緒に過ごすことにします。会社には送り迎えするので安心してくださいね」
(えっ…てことは、ゆーじとずっと一緒にいれるってこと!?)
嬉しいような、恥ずかしいような…。