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ガーディスト~君ヲ守ル~

第9章 希望と絶望

「つばきちゃん、興奮した?」


顔を真っ赤にさせているつばきに、ニヤニヤしながら圭吾が話しかけた。


「び、びっくりしました…」


まさか祐司が脱ぐなんて…!


「祐司くんは酔うと脱ぐタイプみたいだね。おもしろいものが見れて良かったよ」


「圭吾さんは全然酔ってないんですか?」


「まだいけるね」


すごい…。


「じゃあ、俺はそこで寝てる護を部屋に連れてくから」


そういえば護の存在を忘れてた。

圭吾は護を抱え、部屋の中に入っていった。


「んじゃ、片付けますかぁ~」


「あたしも手伝いますっ」


こうして楽しい宴は終わった。










片付けが終わった後、つばきは一番にお風呂を使わせてもらった。


キッチンを通りかかると、富士子に呼び止められた。



「祐司くんに水持っていってくれる?一番奥の部屋よ」


「はい」


水差しとコップを受け取って、つばきは二階の一番奥の部屋に向かった。
ノックしても返事がないので、そっと扉を開けてみる。
祐司はベッドで眠っていた。
ちゃんとTシャツを着せられて。


つばきはホッとして、静かに机に水差しとコップを置いた。
そして部屋を出ようとした時、


「…つばき…」


呼び止められる。


振り向くと、祐司が体を起こして眠たそうに目をこすっていた。


「ごめん、起こしちゃって…」


「……喉乾いた」


「えっ、ちょっと待って」


つばきはコップに水を注ぎ、祐司に渡した。
祐司はゴクゴクと喉をならしながら一気に飲んだ。


「ごめん、もう一杯…」


まだ虚ろな目で、つばきを見る祐司。



(なんだか子供みたい)


つばきはクスッと笑いながら、水を注いだ。


「…大丈夫?」


「ん…ありがと」


祐司はぼーっとしている。


いつもビシッと決めてる祐司が、こんな無防備な姿を見せるなんて…


つばきは母性本能をくすぐられた。



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