ガーディスト~君ヲ守ル~
第9章 希望と絶望
食堂に戻ると、冴子の姿はなかった。
祐司と護が心配していたと言ってくれたが、あえて理由は聞かれず、つぐみはホッとした。
つぐみは化粧直しをするために、トイレに寄った。
そこで最も会いたくない人物に会う。
「あら、よく会うわね」
冴子だった。
つぐみは避けるように個室に入ろうとした。
「東って、祐司のこと好きなの?」
突然の冴子の言葉に、動きが止まる。
「…図星ね」
「……」
つぐみは、冴子の方に振り返れなかった。
「あたしね…会ったのよ、つばきって子に」
「…え?」
「あなたたちの事情、知ってるの」
「……」
「教えてあげる、つばきも祐司のことが好きなのよ」
「!」
うそ…
つぐみは愕然とした。
手紙の書き方からして、もしかして…とは思っていたが…
「祐司ってね、つばきには優しいのよ…悔しいけど。
あなたへの接し方とも全然違うわ」
「……」
「あなた、このままだと祐司を取られるわよ。悔しくないの?姿はあなたなのに」
指が、足が、震える。
うまく息ができない。
目の前が真っ暗になった…。