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ガーディスト~君ヲ守ル~

第10章 覚醒

病室に近づくたび、つばきの口数は少なくなっていった。


心臓がドキドキして、息をするのがもどかしい。


「301号室…ここですね」


圭吾は札に書かれた名前を見る。


そこには『末永つばき』と書かれていた。


「末永つばき…」


つばきは自分の名前を読み上げた。




あたしの、名前…。




…そうだ、





あたしは…






末永つばき。







「…思い出した」


つばきは、祐司たちに振り向いた。


「あたしは、末永つばき」


そう言いながら、満面の笑顔を浮かべた。


「思い出して、良かったな」


祐司は、穏やかに笑った。


「うん!」


圭吾も護も、ホッと胸をなで下ろした。


「ところで個室みたいだけど、どうやって入ってく?」


護が祐司たちに聞いた。


「怪しまれないために、つばきの友人ということにしましょう、俺と護は廊下で待機しますので、祐司くん、つばきちゃんの護衛頼みますよ」


「はい」


「じゃあ~祐司はあたしの彼氏ってことにする?」


つばきが冗談っぽく言うと、


「そうだな」


と、祐司がさらりと言うので、つばきは一瞬動揺する。


「どうした?」


「な、なんでもないよっ」



(も~…そんなさらりと言わないでよっ。冗談でもめちゃくちゃ嬉しいじゃん…)



つばきがそんなことを考えてると、病室のドアがガラリと開いた。



「あ…」







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