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ガーディスト~君ヲ守ル~

第10章 覚醒

目の前に立っていたのは、先ほどバイクに乗っていた青年だった。


「何か用ですか?」


青年は祐司の方を見た。


「すみません…つばきさんが事故に合われたと聞きましたので、お見舞いにきました、村上と申します」


「あっ…彼女とは、会社で知り合いました。つば…じゃなくて、東つぐみと申します!」


祐司とつばきが言い終わると、青年はフッと微笑した。


「そうだったんですか、わざわざ来てくれてありがとうございます。オレはつばきの兄の直樹です」


そう言って直樹は、祐司たちを中に招き入れた。


一歩一歩先に進むと、ベッドが見えてきた。


つばきは固唾を飲んだ。
目の前には、色白で整った顔立ちの少女が、瞳を閉じて眠っている。
髪は茶髪で、肩まで伸びていた。



(……あたしだ!!)



つばきは確信した。




「つばき、聞こえるか?お前の働いてたバイト先の友達が来てくれたぞ」


直樹は、ベッドに寝ているつばきの体に優しく話しかけた。


つばきは手で口を覆った。


(お兄ちゃん!!あたしはここにいるよ!!)


つばきは必死に心の中で叫んだ。


「…大丈夫か?」


祐司は心配そうに、つばきの顔を覗き込んだ。


コクン、と頷くつばき。



「つばきは事故に合ってから、一度も目を覚ましてないんです。もう1ヶ月も経つ…でもオレはまだ諦めていない。つばきは必ず目を覚ますと信じてる」


直樹はつばきの髪を優しく撫でた。


(お兄ちゃん…)



「なにか、語りかけてやってくれませんか?こいつ、喜ぶと思うんで」


そう言って直樹はベッドから離れた。


祐司とつばきは、つばきの体に歩み寄った。







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