ガーディスト~君ヲ守ル~
第10章 覚醒
あまりの予想外の出来事に、言葉を失うつばきと祐司。
つばきの体はゆっくりと、体を起こす。
ドサッ
その時、背後で何かが落ちる音がした。
振り向くと、買い物袋を床に落としたまま固まっている直樹がいた。
「…つばき…」
直樹はつばきの体を見つめた。
ゆっくりとベッドに歩み寄り、震えた手で頬を撫でた。
その時、
「お…にい…ちゃん……」
つばきの体から、微かに声が発せられた。
祐司とつばきは更に驚愕した。
「オレがわかるのか?良かった…」
直樹はつばきの体を優しく抱きしめた。
その光景を見て、つばきは全身が震えた。
わけがわからない…
あたしはまだここにいるのに!!
つばきはいてもたってもいられず、その場から走り去る。
「っ…!!」
祐司も後を追いかけた。