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ガーディスト~君ヲ守ル~

第13章 和解

「なんかいい刑事さんだったね~イケメンだったし」




「どこが!ただの嫌みなやつだ」




護が不機嫌そうに言う。




「まぁ…でもこれで一件落着ですね」




圭吾は笑顔で言った。




「皆無事で良かったよ、お疲れ様」




乙姫も労いの言葉を投げかける。
そして祐司に向き直った。




「祐司くん、君なら最後まで諦めずに、彼を説得できると信じていたよ。君は彼の命を救ったんだ、それを忘れないでほしい」




「…はい、ありがとうございます」




祐司はその言葉を噛みしめる。




「よし、じゃあ今日は皆でお疲れ様会でもしようか、僕の別荘で」




乙姫はニコッと笑い、




「つぐみちゃんやつばきちゃんもね」




と付け加えた。




改めてつばきとつぐみは、お互いを見合わせた。




「…あ…えっと、今更だけど、初めまして。末永つばきです」




つばきは照れながら自己紹介をした。




「つばきさん…良かったです。元の体に戻れて…」




つぐみが穏やかに言うと、つばきはまっすぐにつぐみを見た。




「あの、ずっと…、ずっと取り憑いててごめんなさい!あたし、取り憑かれてるつぐみさんの気持ちわかってなくて、手紙書いたりして…つぐみさんを傷つけてた。ほんとにごめんなさい!」




そう言いながら深く頭を下げるつばきの肩に、つぐみはそっと手を置いた。




「謝らないで…つばきさんのせいじゃない」




「つぐみさん…」




「私気づいたの…うまくいかないのを周りのせいにして、目の前のものから逃げていただけだって。あなたに取り憑かれてなかったら、きっとまだ気づかなかったと思う…だってそれを教えくれたのは、ここにいる人たちだから…」




つぐみはつばきの手を取った。




「つばきさんが、私のもとに来たのは意味があることだって思ったの…」




「つぐみさん…」




「だから…ありがとう」




つぐみは穏やかに微笑した。





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