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ガーディスト~君ヲ守ル~

第14章 それぞれの道

(勝手に会話を聞いて嫉妬して、自分でも醜いことしてるってわかってる…

だけど自分が、圭吾さんにとって特別な存在なのかどうか知りたいの…)





しばし黙っていた圭吾が、静かに口を開いた。



「…体の関係がなかったといえば、嘘になる」



「…っ」



「だけどそれだけだ。俺は今まで来るもの拒まずで、気に入った女性がいれば、すぐに体の関係を持っていた」



「…」



「女は性欲を満たすもので皆同じ…そう思っていた…」



圭吾は切ない表情を浮かべた。



「…つぐみに出会うまでは」



「…」



「正直自分でも、戸惑っている。こんなにひとりの女性を愛しいと思うのは初めてだから…」



圭吾はつぐみの手を引っ張り、自分の胸に押し当てた。



「俺の心臓、ドキドキしてるのわかる?」



コクン、と頷くつぐみ。



「どんなことがあっても冷静だった俺が、つぐみの前だとこんなにドキドキしてる。愛しくて、抱きしめたくて…だけど離れていかないか不安で…情けなくなる」



「…圭吾さん…」



圭吾は苦笑した。



「こんな俺は、嫌か?」



つぐみは首を左右に振った。



「嫌じゃないですっ…そこまで想ってくれてすごく…嬉しいです!」



つぐみは自ら圭吾に抱きついた。



「…疑ってごめんなさいっ…」



「つぐみ…」



圭吾はホッとして、つぐみを強く抱きしめた。







  

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