ガーディスト~君ヲ守ル~
第3章 恋の予感
「実はあなたの中には、『つばき』という女性の霊が、憑依してるんです」
「!」
祐司は一旦、話を中断した。
動揺するつぐみに声をかける。
「大丈夫ですか?」
「…は、はい…続けてください」
祐司は話を続けた。
「その女性が言うには、気づいたらあなたの体の中に入っていたそうです。本人は自分の名前以外の記憶がありません。自分が生きているのか、すでに亡くなっているのかもわからないそうです」
「…っ」
「だからあなたの意識がなくなった時、 彼女は、あなたの体を使って自分の体を闇雲に探しに行っていたそうです。服が汚れてたのもそのせいです」
祐司が話し終えると、つぐみも護も動揺を隠しきれない。
「そんなことってあるのか?」
護が信じられない、と呟いた。
「今朝、口の中が甘かったのは、彼女が 昨夜食事をしたからです」
「…っ」
つぐみはとっさに口を手で抑えた。
祐司はスーツのポケットから、折り畳んである紙を取り出した。
「これは、その『つばき』が書いた手紙です」
「!?」
つぐみは恐る恐る手紙を広げた。