ガーディスト~君ヲ守ル~
第3章 恋の予感
終了手続きを済ませ、つぐみは会社を去って行った。
「祐司くん、お疲れ様」
圭吾がにこやかに、祐司のデスクに紙 コップのコーヒーを置いた。
「…」
祐司は軽く頭を下げると、コーヒーをひとくち口に含む。
「どうして止めなかったんですか?」
圭吾が問う。
「本人が現実を受け止めないと、どのみち不安なままですから」
「…そうだね」
「それに…俺たちはあくまでも依頼人を守ることが任務、ですよね」
「まぁ…後味悪いけど、この業界ではよくあることだからね」
「…」
「初仕事にしては上出来だと思うよ」
圭吾はポンと祐司の肩に手を置いた。
「ありがとうございます」
祐司はコーヒーを全部飲み干すと、ク シャッと紙コップを潰し、ゴミ箱に捨てた。
「タバコ吸ってきます」
祐司は喫煙室に向かった。
(やっと吸える…)