
ガーディスト~君ヲ守ル~
第3章 恋の予感
ボディーガードの会社を去った後、つぐみはネットで探した霊媒師のもとを訪れていた。
「心霊のご相談ですね。こちらで受付お願いします」
スーツを着た女性がつぐみを案内する。 受付の隣には、水晶や御札などのグッズが置かれていた。
「こちらにどうぞ」
畳の間に、案内される。
「袴田先生をお呼びいたしますので、 少々おまちください」
女性は静かに障子を閉じた。
数分後、白装束を身にまとった、年配の男性が入ってきた。
「袴田です」
「よ、よろしくお願いします…」
緊張するつぐみ。
「東つぐみさんですね」
「はい…」
袴田はじっとつぐみを見た。
「霊にとり憑かれてますね…」
「!」
(すごい!まだ何も言ってないのに…)
「はい、そうなんです、女性の霊が憑いてるみたいで…」
「今までつらかったでしょう、でも大丈夫です。私が除霊しますので安心してください」
「はいっ…!お願いします!!」
この人は本物だ、と思った。
つぐみの表情は明るくなる。
「いいですか、私が真言を唱えますから、心の中で『悪霊退散』と叫び続けてください」
「はい!」
袴田は両手を合わし真言を唱え始めた。
「ノウマクサマンダ、バザラダンセンダ、マカロシャダソワタヤ…」
つぐみは必死で悪霊退散!と心の中で叫んだ。
数分後、除霊は終わった。
「…もう大丈夫でしょう、除霊は成功しました」
「ありがとうございますっ…!」
袴田はにこやかに去って行った。
