ガーディスト~君ヲ守ル~
第3章 恋の予感
袴田と入れ替わりに、受付の女性が入ってきた。
「本日の除霊料金ですが、3万になります」
「3万!?」
つぐみは思わず声に出してしまった。
このために貯金はおろしてきたものの、 ここまで高額とは…。
いや、でもこれで霊ともおさらばだから良しとするか…。
つぐみは1万札を3枚渡した。
「ありがとうございました、お帰りはこちらです」
そう言われて、つぐみは歩こうとする。
「あ…すみません、お手洗い借りてもいいですか?」
「どうぞ。こちらを真っ直ぐ行って突き当たりを左です」
「ありがとうございます」
つぐみは晴れた気分で、トイレに向かった。
トイレから出たつぐみは、元来た道を 戻って行った…はずだったが、どうやら反対側を歩いて来てしまったらしい。
すると、障子の隙間からボソボソと声が聞こえてきた。
「……ほんとにあんたは悪人だね、霊感なんてちっともないのにさ」
(えっ…?!)
つぐみは耳をうたがう。
「あの子、あんたのこと信じ切っててほんとに気の毒だよ」
「だからこの仕事はやめられねぇんだよ、ひっひっ」
つぐみは愕然とした。
(…騙されたんだ…)
怒りで手足が震える。
つぐみは急いでその場から走り去った。