ガーディスト~君ヲ守ル~
第3章 恋の予感
その時。
ジャリジャリと砂を蹴る複数の足音が響いた。 月明かりに照らされて、彼らは姿を現す。
「あのさぁ、いちゃいちゃしてるとこ悪いんだけど、金貸してくんねぇ?」
「素直に渡した方がいいよぉ」
男たちはニヤニヤと笑いながら言った。
「ゆ、ゆーじ…」
『つばき』は祐司の裾を掴む。
祐司は懐に手を入れた。
「…いくら欲しいんだ」
(えっ!?
なに言ってんの、ゆーじ!)
『つばき』は目を丸くした。
男たちも一瞬あ然とする。
「なんだよ~話わかんじゃん!てか、彼女の前でカッコ悪すぎだし」
ハハハッと笑う。
「じゃあさ、そのサイフごとちょーだいよ」
言いながら男は、手を祐司に向けて伸ばした。
瞬間、祐司は男の手首を掴み手前に引き寄せると、同時にひじで顎を突き上げた。
「ぐあっ…!」
男が倒れ込む。
「てめぇ…!」
もう1人が、殴りかかってきた。
祐司は素早くかわし、男の手首を掴み捻りあげる。
「いてててっ…!」
そして足の膝裏を右足で蹴りあげた。
男はバランスを崩し、膝から崩れ落ちる。
「つばき、走るぞ!」
祐司は呆然とする『つばき』の手を掴み、走り出した。
(ゆ、ゆーじ…超かっこいい…!)