ガーディスト~君ヲ守ル~
第4章 バイト
(まさか、東さんがここで働いてるとはな…)
彼女の身に何もなければいいが…。
「祐司、こっちは問題なしだ」
「こっちもです」
「どうする?とりあえず何か動きがあるまで待つか?」
「いや…目撃情報を集めましょう、何か手がかりが掴めるかもしれない」
「それもそうだな!」
祐司たちは、仕事の邪魔にならないよう、別室を使い調査を始めた。
「私、聞きました…
残業してたら、うめき声が聞こえて…怖くなって慌てて帰りました!!」
「私も…!! 残業してたら急に停電して、めちゃくちゃ怖かったから、そのまま帰ったよ~!!」
「私は定時に帰ろうとロッカー室で着替えてたら、何か気配を感じて…」
女子社員たちは、次々と証言をしてくれた。
「今のところ、幽霊を見たっていう証言はないなぁ」
「共通しているのは、夕方~夜間の間に現象が起きてるってことですね」
祐司は時計を見た。
午後3時。
定時まであと2時間ある。
「先輩、先に食事どうぞ」
「えっ、マジで?」
祐司たちは昼ご飯を食べ損ねていた。
この仕事をしていると、たいがいまともに食事はとれない。
「じゃ、お先~」
護は足軽に部屋を出て行った。
その後、すぐ扉が開く。
「どう?何かわかったかしら」
冴子が入ってきた。
なぜか祐司の隣に座る。
「…いえ、まだ調査中です」
祐司は気にせず答えた。
「ねぇ…」
冴子はおもむろに、祐司の腕に自分の腕を絡めた。
祐司は動じない。
「祐司くんって、彼女いるの?」
「…そういうことは答えられません」
冴子はクスッと微笑した。
「真面目なのね」
「…」
冴子は祐司の耳元に顔を近づけ、
「かわいい」
耳元で囁いた。