ガーディスト~君ヲ守ル~
第6章 束の間の休息
「契約成立かい?」
別室から出ると、乙姫が机にもたれて腕を組んで待っていた。
「はい。今日からまた警護することになりました」
「それは良かった」
乙姫はにっこり笑った。
「ところで東さん、今日は何か用があるのかな?」
「え…私ですか!? 特にないです…」
急に話をふられて驚くつぐみ。
乙姫は続けて言った。
「今日、僕の知り合いがレストランの開業パーティーをすることになってね、招待されたんだよ。良かったら東さんもどうかな?」
「え!私が行ってもいいんですか?」
「いいよ~、今日は花火大会もあるから会場から見えるしね♪」
うわぁ~と、つぐみの表情が明るくなった。
「今日は依頼もないし、みんなでパアッと楽しもう♪」
乙姫は、圭吾と護と祐司の肩を交互にポンポンと叩いた。
「パーティーか…たまにはいいですね」
圭吾は微笑する。
「よっしゃあ~!可愛い子と出会えるチャンス…!」
ガッツポーズを取る護。
「パーティーだなんて初めてです!あ、でも…服がないです」
「そのままで大丈夫ですよ」
「そ、そうですか?」
舞い上がるつぐみに、祐司は微笑む。
「楽しみですね」
「は、はい!」
村上さんとパーティー…
しかも一緒に花火も見られるなんて…
(すごい幸せ…)
お願い…
つばきさん、
今日は出てきませんように……
つぐみは強く、願った。