ガーディスト~君ヲ守ル~
第6章 束の間の休息
なんて…
なんて…優しい人なんだろう…
胸の奥が、キュンとした。
この人の“特別になりたい”と思った。
「あ、夜景が見えてきましたよ」
気が付くと、辺りは夕焼け空から夜空に変わり、あちこちに照明が灯り始めた。
つぐみは目の前に座る祐司の横顔を見つめる。
(こんなに目の前にいるのに…遠い…)
視線に気づいたのか、祐司はつぐみに向き直った。
「どうかしましたか?」
「い、いえっ…」
つぐみは慌てて俯いた。
「あ、えっと…すみません…私ちょっと化粧室行ってきます…」
つぐみはそう言って席を立った。
「はぁ…」
鏡の前で、ため息をつくつぐみ。
一緒にいれるのは嬉しいけど、想いはどんどん募ってくばかり…
(私にもっと積極性があったらなぁ…)
緊張しすぎて何を話せばいいかわからない。
『つばき』さんだったら、こういう時どうするんだろうか…?
ふとそんなことが頭をよぎった。
「…」