テキストサイズ

もしも僕がね、

第1章 困った病人

「じーさん。俺こいつが担当とかいやだ。」

こいつ=俺

だろうな、糞餓鬼め。


「まぁまぁ理人くん、そう言わないで…ほら早川先生も嫌そうな顔しない。」

院長先生にそう言われては何も言えない。

白石理人もどうやら院長先の言うことは大人しく聞くらしい。

そしてチラリと一瞬だけこっちを見た。


改めてこいつの顔を見ると以外と顔が整っていることがわかった。

筋の通った鼻。ぱっちり開いた二重、褐色の瞳。薄く開いた唇。
髪はおそらく地毛だろうか…栗色のふわふわした髪。日焼けなどしたことなさそうな白い肌。

とても同じ男とは思えなかった。



「じろじろ見んなよ、ダメ医者。」

「うるさい、糞餓鬼。」

売り言葉に買い言葉。そんなこんなで1週間はお互いを貶しあった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ