壊れる程に愛してる。
第3章 日常
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「ただいまー…」
鍵を空け入った玄関は、明かりが点けっぱなしになっている。
馴れない土地での一人暮らしはまだ心寂しくて、帰ってから少しでも寂しくないようについつい明かりを点けっぱなしにして家を出てしまう。
しっかりと戸締まりをしてからスクバを置き、焦って手洗いうがいをしてクーラーの電源を入れ、ギリギリタイムサービスに間に合って買ってきた食料品を小さな冷蔵庫に詰め込む。
「きょうはパスタにしよっかな…」
その呟きに答えてくれる人は誰もいない。
ヒンヤリとしたクーラーの風が外で浮かんだ汗を冷やしていく。
気付けば2DKのアパートは薄暗くなっていて、部屋の電気を付けた。
パチッと弾けるような乾いた音がして、部屋には明かりが灯った。
壁に掛けられた時計は、もう6時半になろうとしていた。
私はいつものクセで、制服を着たままソファーに寝転び中学校の卒業アルバムをめくった。