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彩葉って名前はあだ名がつけにくいからって誰か呼び始めたんだよね。


だから、基本的にみんなあたしの事くぅちゃんって呼ぶ。



「うん。今日は紘夏が他の人と帰るらしいから」


「あ、そうなんだ。でも、松本がくぅちゃんの事探してたよ？」


「えっ!?」


さっきの話の事があって松本という名前に異常に反応してしまう。


「なんか、用事があるみたいだったけど……」


「ま、松本だから良いでしょ。ばいばい！」


今は松本に会いたくない！

嘘なんだろうけど、無駄に意識してしまう。


「あはは！そうだね。ばいばい」



松本に会う前に早く帰ろう。


急ぎ足で下駄箱へ急ぐ。


すると曲がり角で誰かにぶつかった。


「わっ！」

「うおっ」


どんっとぶつかった相手は男子。


体格的な差であたしは後ろに倒れそうになる。


「おっと」



しかし、ぶつかった相手があたしが倒れる前に支えてくれたおかげで尻もちをつくことはなかった。



「大丈夫か？」


「あ、ありがと………う!?」