トライアングル・ラブ -素直になれなくて-
第3章 名前
自転車を漕ぎながら家に向かっている途中、女子中学生の群れを目にした。
中学生か。
昨日までは中学生だったと思うと変な感じがするな。
するとフト目に入った女子中学生のかばん。
あれ。
あのウサギのキーホルダーって確か…。
俺は無意識に鼻で笑っていた。
アイツは中学生と同じキーホルダーしてんのか。
今日初めて会っただけなのに。
少し話しただけなのに。
何故こんなにもアイツの、“姫奈”の笑顔が浮かぶのだろう。
俺らしくねー。
俺は首を左右に振り、自転車のペダルを思いっきり強く漕いだ。