トライアングル・ラブ -素直になれなくて-
第4章 涙
いや、確かに姫奈はミスコンに出るが、それはアイツの意志ではなく、余儀なくされた結果で…。
「姫奈ちゃんらしき子が、呼び出しくらって、泣いてるとこを俺のクラスのヤツが見たらしくて…。」
「…泣いてるとこ…?」
いつもニコニコしてるアイツが泣く…?
俺は泣き顔を想像することができなかった。
「ま、変わったとこないなら呼び出しまではさすがに噂か。」
純はあくびをしながら呟いた。
可愛いだなんだ言ってたくせに、実際はそこまで惚れ込んでいたわけではないわけね。
ま、ぶっちゃけ俺もどうでも良いや。
アイツが呼び出しくらって泣いてようが、泣いてまいが、俺には知ったこっちゃない。