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えっちな理科準備室

第12章 過去への想い

悠馬くんは私にその蝶ネクタイを手渡しました。

「あの、これは?」

私が訊ねると悠馬くんは答えました。

「蝶ネクタイ型変声機さ」

・・・なんだかどこかで聞いたことのある響きでした。

「一応、制作は完了したんだけどさ、これ一人じゃ実験できないんだ。あー・・・そうだな、その蝶ネクタイに向かって何か喋ってみてくれるかな」

何か喋ってと言われても・・・

・・・

「あ・・・あいうえお・・・」

『あ・・・いうえお』

「うわっ!すごい!」

私は驚いて大声を出してしまいました。

私の声が、蝶ネクタイを通して悠馬くんの声になって出てきたのです。

悠馬くんは満足そうに笑うと、小さく拍手をしました。

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