
異種間恋愛
第13章 秘密の大きさ
「なんか、すごく目立ってない?」
街を一本真っすぐに貫く大きな道を歩く人は多い。
小さな少年が風船を片手に小走りに駆けてゆく。貴婦人たちは豪華な衣装を身に纏い会話に没頭している。
作業着の男たちは目的地へ向かっているのか急ぎ足で通り過ぎる。男女の若者たちは互いに頬を染めながら微妙な距離を維持し、微笑みあう。
その中の一組に過ぎない私たち……のはずなのに、私たちが近づけば周りの人たちが自然と道を大きく開けて動きを止める。
「俺の顔は見えているか?」
ラドゥも不思議に思ったのか深く被っているフードの隙間から私に問う。
「いえ。見えてません」
ラドゥの顔は全く見えない。そんなに特徴のある体型も服装もしていないからばれるはずはないのに。
やっぱり原因は……いや、どう考えても原因はレオだ。
「そうか? 気にしすぎじゃないか?」
しかし当の本人は全く気が付いていない。
白いシャツに細い黒のズボン、それに短めの革ブーツ。服装は少々古めかしいかもしれないがさほど目立つものではない。
レオが女の子の前を通り過ぎる度、小さな悲鳴に似た声が聞こえる。
「はあ……」
私は溜め息を吐いた。
レオは長身で男らしい筋肉が程良くついた身体。それに、整った顔に金髪と青い瞳。
どの時代に生まれてもこの容姿ではさぞ目立つだろう。
「目立っているのはお前らだ。さっさと行くぞ」
ラドゥは私の手を引っ張った。
「私は原因じゃないですよ」
「馬鹿か」
フローラさんから貰ったワンピースとラドゥが持ってきてくれていた靴。なにか人目を引いてしまう要素があるのだろうか? 不安になった。
「リア、あまり顔を見せない方がいい」
レオがそう言いながら私の手を握った。
両方の手を二人に握られている私。面白い絵だろう。レオよりは小さいが私よりは遥かに高い身長のラドゥとレオが両脇にいる。
自分の小ささが嫌なほど分かりまた溜息を吐いた。
「どうして私が関係あるの?」
何か勘違いしているようなレオ。私の問いに答えは返ってこなかった。
街を一本真っすぐに貫く大きな道を歩く人は多い。
小さな少年が風船を片手に小走りに駆けてゆく。貴婦人たちは豪華な衣装を身に纏い会話に没頭している。
作業着の男たちは目的地へ向かっているのか急ぎ足で通り過ぎる。男女の若者たちは互いに頬を染めながら微妙な距離を維持し、微笑みあう。
その中の一組に過ぎない私たち……のはずなのに、私たちが近づけば周りの人たちが自然と道を大きく開けて動きを止める。
「俺の顔は見えているか?」
ラドゥも不思議に思ったのか深く被っているフードの隙間から私に問う。
「いえ。見えてません」
ラドゥの顔は全く見えない。そんなに特徴のある体型も服装もしていないからばれるはずはないのに。
やっぱり原因は……いや、どう考えても原因はレオだ。
「そうか? 気にしすぎじゃないか?」
しかし当の本人は全く気が付いていない。
白いシャツに細い黒のズボン、それに短めの革ブーツ。服装は少々古めかしいかもしれないがさほど目立つものではない。
レオが女の子の前を通り過ぎる度、小さな悲鳴に似た声が聞こえる。
「はあ……」
私は溜め息を吐いた。
レオは長身で男らしい筋肉が程良くついた身体。それに、整った顔に金髪と青い瞳。
どの時代に生まれてもこの容姿ではさぞ目立つだろう。
「目立っているのはお前らだ。さっさと行くぞ」
ラドゥは私の手を引っ張った。
「私は原因じゃないですよ」
「馬鹿か」
フローラさんから貰ったワンピースとラドゥが持ってきてくれていた靴。なにか人目を引いてしまう要素があるのだろうか? 不安になった。
「リア、あまり顔を見せない方がいい」
レオがそう言いながら私の手を握った。
両方の手を二人に握られている私。面白い絵だろう。レオよりは小さいが私よりは遥かに高い身長のラドゥとレオが両脇にいる。
自分の小ささが嫌なほど分かりまた溜息を吐いた。
「どうして私が関係あるの?」
何か勘違いしているようなレオ。私の問いに答えは返ってこなかった。
