
異種間恋愛
第15章 暴かれた婚姻
「レオ、頑張って!」
と、声を張り上げたのはいいものの二人とも全身を覆う鎧を身に着けているからどちらがレオか遠目からでは判断できない。
ただ、レオのほうがラドゥより背が高いから予想はついた。
外の明るい光が長い演台にキラキラと降り注いでいる。城の隅っこにあるフェンシングの練習場に私はいた。
争いは嫌い。だけど、このフェンシングのエペは国同士で行き違いが起きた時に戦争の代わりに用いられる競技だと知って思い直した。
国同士で戦争が起きれば民も戦士が多く犠牲となるけれど、このフェンシングを競技として行うことで死者は基本的にでない。
国内で最も優秀な騎士を選び出し、その数名に国の政治をかける。そこで勝負がついたことには何者も口出しはできない。
基本的に死者はでないと言うのは、時に競技中に不慮の事故と呼ばれるものが起きるからである。
時に鎧の隙間をすり抜けて脇腹を刺したり、眼球を刺したりという事故も起きているという。
その点を改善できればこの決闘は素晴らしいものだと思う。ただし、こういった解決法ができる程度の行き違いではない場合ももちろんある。
あくまでもこれは友好な関係を築きあっている国同士の軽い問題発生時の解決法だ。自分の利益がとことん関係していれば人間というものはなりふり構わなくなってしまう。
「En garde!」
ふたりのちょうど真ん中に立っていた審判が声をあげた。
その声でふたりとも一斉に手にしていた剣をあげて構える。空気が張りつめるのを感じた。
「Etes-vous Prêts?」
審判が準備がよいかどうか尋ねると二人は声をそろえて叫んだ。
『Oui!』
その返事を聞くと審判は一度頷いてから空気を吸い込んだ。
「Allez!」
私は思わず息をつめてふたりが同時に動き出すのを見つめていた。
と、声を張り上げたのはいいものの二人とも全身を覆う鎧を身に着けているからどちらがレオか遠目からでは判断できない。
ただ、レオのほうがラドゥより背が高いから予想はついた。
外の明るい光が長い演台にキラキラと降り注いでいる。城の隅っこにあるフェンシングの練習場に私はいた。
争いは嫌い。だけど、このフェンシングのエペは国同士で行き違いが起きた時に戦争の代わりに用いられる競技だと知って思い直した。
国同士で戦争が起きれば民も戦士が多く犠牲となるけれど、このフェンシングを競技として行うことで死者は基本的にでない。
国内で最も優秀な騎士を選び出し、その数名に国の政治をかける。そこで勝負がついたことには何者も口出しはできない。
基本的に死者はでないと言うのは、時に競技中に不慮の事故と呼ばれるものが起きるからである。
時に鎧の隙間をすり抜けて脇腹を刺したり、眼球を刺したりという事故も起きているという。
その点を改善できればこの決闘は素晴らしいものだと思う。ただし、こういった解決法ができる程度の行き違いではない場合ももちろんある。
あくまでもこれは友好な関係を築きあっている国同士の軽い問題発生時の解決法だ。自分の利益がとことん関係していれば人間というものはなりふり構わなくなってしまう。
「En garde!」
ふたりのちょうど真ん中に立っていた審判が声をあげた。
その声でふたりとも一斉に手にしていた剣をあげて構える。空気が張りつめるのを感じた。
「Etes-vous Prêts?」
審判が準備がよいかどうか尋ねると二人は声をそろえて叫んだ。
『Oui!』
その返事を聞くと審判は一度頷いてから空気を吸い込んだ。
「Allez!」
私は思わず息をつめてふたりが同時に動き出すのを見つめていた。
