
異種間恋愛
第15章 暴かれた婚姻
右にいるラドゥが突こうとすればレオがそれを剣でしなやかに払う。銀色に輝く細い剣がふたりによって動かされるのを見ていると剣自身が意思を持って踊っているように思ってしまう。
距離を詰めたり遠のいたりしながら、互いに隙を見ては攻撃をしかける。
レオの軽やかなステップとラドゥの鋭い突き。決闘なのに、なぜか息が合っていると感じる。ふたりの間だけで何か私には理解できないやりとりが行われているようだ。
競技ではなく、演技を見ているようだ。
「お疲れ様っ」
頭に被っていたマスクをとるとレオの太陽に愛された肌が湿っていて急いでタオルで汗を拭った。
「ああ、すまない」
「おい、俺だって汗だくだぞ。拭け」
気付けばラドゥも私の隣りに来ていた。
「はい」
タオルをラドゥの顔に押し付ける。
「こんな無礼な女は初めてだ。まあ、お前でなくてもいい。入ってこい」
ラドゥが意味の分からないことを練習場の扉に向かって言うと扉が開かれ、そこには若い少女から妖艶な大人の女性までさまざまな美女がざっと十数名が立っていた。
あまりに突然のことで私は目をまるくして美女たちを見つめた。
「俺の側室候補が集まり始めていてな」
「始めてるって?」
この城で侍女以外の女性を見たのは初めてだ。
「まだ十分の一にも満たないってことだ。これからどんどん集まってくる。レオ、お前も気に入った奴がいれば遠慮なく好きにしろ」
私は急いでレオを振り返った。
「必要ない」
レオは扉のほうを一度見やってから呆れたように息を吐いた。安心してしまう。
ラドゥは女たちに囲まれ、タオルで汗を拭かれたり、飲み物を飲ませてもらったり脚を揉ませたりしていた。
緑、赤、銀、茶色の髪がふわふわと揺れている様子は色鉛筆みたいだ。おそらく国中からの美女を集めてきたのだろう。
距離を詰めたり遠のいたりしながら、互いに隙を見ては攻撃をしかける。
レオの軽やかなステップとラドゥの鋭い突き。決闘なのに、なぜか息が合っていると感じる。ふたりの間だけで何か私には理解できないやりとりが行われているようだ。
競技ではなく、演技を見ているようだ。
「お疲れ様っ」
頭に被っていたマスクをとるとレオの太陽に愛された肌が湿っていて急いでタオルで汗を拭った。
「ああ、すまない」
「おい、俺だって汗だくだぞ。拭け」
気付けばラドゥも私の隣りに来ていた。
「はい」
タオルをラドゥの顔に押し付ける。
「こんな無礼な女は初めてだ。まあ、お前でなくてもいい。入ってこい」
ラドゥが意味の分からないことを練習場の扉に向かって言うと扉が開かれ、そこには若い少女から妖艶な大人の女性までさまざまな美女がざっと十数名が立っていた。
あまりに突然のことで私は目をまるくして美女たちを見つめた。
「俺の側室候補が集まり始めていてな」
「始めてるって?」
この城で侍女以外の女性を見たのは初めてだ。
「まだ十分の一にも満たないってことだ。これからどんどん集まってくる。レオ、お前も気に入った奴がいれば遠慮なく好きにしろ」
私は急いでレオを振り返った。
「必要ない」
レオは扉のほうを一度見やってから呆れたように息を吐いた。安心してしまう。
ラドゥは女たちに囲まれ、タオルで汗を拭かれたり、飲み物を飲ませてもらったり脚を揉ませたりしていた。
緑、赤、銀、茶色の髪がふわふわと揺れている様子は色鉛筆みたいだ。おそらく国中からの美女を集めてきたのだろう。
