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異種間恋愛

第18章 王子の暗闇

「嫌。これだけ……これだけでいいから。お願い」
 レオの香りが染みついているこの布だけでも持っておきたい。
 ラドゥに頭を下げてでも。
「……好きにしろ」
 さっきまで楽しそうに笑顔だったラドゥが急に無表情になった。
 私はレオのカーディガンをぎゅっと握りしめて、レオの傷口を想像して襲いくる後悔の念を押し殺した。

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