
異種間恋愛
第18章 王子の暗闇
レオが私とラドゥの間に割って入る。
「早く」
ラドゥは私をずっと見つめたままにやりと笑った。
逆らえない……。
私はラドゥの頬に唇で触れた。
レオの表情が固まった。ラドゥはため息をついて私を見下ろす。
「何を恥ずかしがることがある。さっきは最後までしただろ」
「さい、ご?」
レオが呟く。
「まあ、そんなことお聞きになるなんてレオン様ったら」
「リア、本当なのか?」
「……」
こくり。
私は頷いた。涙がこぼれないように、わざと笑顔を作る。
「わかった。悪かった……」
ふらりふらりと力ない足取りで私とラドゥから遠ざかっていくレオ。
見ていられなくて私は振り返ることもせずにずっとラドゥの足元を見つめていた。
「お前らも最中だったんだろ。続きを楽しめ」
ラドゥがやけに嬉しそうな声でふたりに言うとキアナがふふっと笑った。
「ええ。そうさせていただきますわ」
続き……?
最中?
レオは何をしていたの? 今から何の続きをするというの?
ストラスとの婚姻のことを許してくれたの?
どうして私の手紙を捨てたのに、助けに来てくれたの?
振り向いてそう聞きたかった。
聞きたいこと、言いたいことはたくさんある。
けれど、私にそんなことを聞く権利はない。私は、レオを裏切った上に嘘までついて……馬鹿みたいにずたずたに傷つけた。
――パタン
扉が閉まる音が虚しく響いた。
「これで、フローラさんには何もしないって約束して」
「ふん。随分と偉そうな口をきくな。自分の置かれている立場を考えろ」
私はラドゥを睨んだ。
「また誘惑してるのか?」
「違うっ!」
誘惑なんてこんな奴にしてたまるもんか。
「上目遣いが上手いな」
歯と歯が強くかみ合ってキシキシと音を立てる。こんな奴の言うことを聞くなんて……。
ひとりで何とかしようと勝手に動いて、この様だ。やっぱり私なんかでは民は救えないのかもしれない。
「まあ、いい。とりあえず、それを離せ。捨てろ」
ラドゥがレオのカーディガンを指さす。私は首を振る。
「早く」
ラドゥは私をずっと見つめたままにやりと笑った。
逆らえない……。
私はラドゥの頬に唇で触れた。
レオの表情が固まった。ラドゥはため息をついて私を見下ろす。
「何を恥ずかしがることがある。さっきは最後までしただろ」
「さい、ご?」
レオが呟く。
「まあ、そんなことお聞きになるなんてレオン様ったら」
「リア、本当なのか?」
「……」
こくり。
私は頷いた。涙がこぼれないように、わざと笑顔を作る。
「わかった。悪かった……」
ふらりふらりと力ない足取りで私とラドゥから遠ざかっていくレオ。
見ていられなくて私は振り返ることもせずにずっとラドゥの足元を見つめていた。
「お前らも最中だったんだろ。続きを楽しめ」
ラドゥがやけに嬉しそうな声でふたりに言うとキアナがふふっと笑った。
「ええ。そうさせていただきますわ」
続き……?
最中?
レオは何をしていたの? 今から何の続きをするというの?
ストラスとの婚姻のことを許してくれたの?
どうして私の手紙を捨てたのに、助けに来てくれたの?
振り向いてそう聞きたかった。
聞きたいこと、言いたいことはたくさんある。
けれど、私にそんなことを聞く権利はない。私は、レオを裏切った上に嘘までついて……馬鹿みたいにずたずたに傷つけた。
――パタン
扉が閉まる音が虚しく響いた。
「これで、フローラさんには何もしないって約束して」
「ふん。随分と偉そうな口をきくな。自分の置かれている立場を考えろ」
私はラドゥを睨んだ。
「また誘惑してるのか?」
「違うっ!」
誘惑なんてこんな奴にしてたまるもんか。
「上目遣いが上手いな」
歯と歯が強くかみ合ってキシキシと音を立てる。こんな奴の言うことを聞くなんて……。
ひとりで何とかしようと勝手に動いて、この様だ。やっぱり私なんかでは民は救えないのかもしれない。
「まあ、いい。とりあえず、それを離せ。捨てろ」
ラドゥがレオのカーディガンを指さす。私は首を振る。
