
異種間恋愛
第19章 初めての恋
ラドゥの部屋の奥に備え付けられているキッチンは汚れは一切なく、使ったことがなさそうなほど新品同様だ。
見たことのないほど立派な冷蔵庫を開けると一通りの食材と飲み物がはいっていた。
「さすが、王子の部屋ね」
ラドゥが普段料理をするとは思えないけれど、一応冷蔵庫の中身は定期的に入れ替えられているらしい。
私はそこから色とりどりの野菜と鶏肉を取り出した。
鶏肉に塩とこしょうで下味をつけて適当な大きさに切っていく。
トマト、人参、キャベツ、玉ねぎ、じゃがいもを包丁で角切りにしていく。
とんとんとん。とリズムよく奏でられる包丁とまな板の仕事が耳に心地よく入っていく。
人参とじゃがいもは小さめに刻む。
サイコロのようにコロコロとした形が可愛い。
「ラドゥ、野菜好き嫌いあったかな」
料理をしていると自然と機嫌がよくなって歌うように口にした。
「ないぞ」
「わああっ」
急に真後ろで聞こえたその返事に私はあやうく包丁を落としそうになった。
「危ない」
ラドゥは私の右手を支えた。ふわりと鼻をくすぐるラドゥの香り。少しレオとストラスと似ている。
重ねられた手はストラスのように白いけれど男らしくごつごつしていて、意識した途端に心臓がうるさくなった。
「どんくさいな」
誰のせいで危なくなったのか分かっているのだろうか。
「ラドゥ! 寝てなきゃっ」
「お前に任せたらキッチンが破壊されるかと思って見に来た……。大丈夫そうだな」
ラドゥは黒いシャツをはだけて胸を少し見せながら、ふらふらと体を揺らす。
「料理は好きなの。よくやってたから心配しないで、向こうで寝てて」
くいっと首を振ると、ラドゥは口元を緩ませた。
「わかった」
なぜか嬉しそうな顔をしておぼつかない足取りでキッチンから出て行った。
私はひとつ息を吐き出すと、鍋に油をひき玉ねぎを炒め始めた。
見たことのないほど立派な冷蔵庫を開けると一通りの食材と飲み物がはいっていた。
「さすが、王子の部屋ね」
ラドゥが普段料理をするとは思えないけれど、一応冷蔵庫の中身は定期的に入れ替えられているらしい。
私はそこから色とりどりの野菜と鶏肉を取り出した。
鶏肉に塩とこしょうで下味をつけて適当な大きさに切っていく。
トマト、人参、キャベツ、玉ねぎ、じゃがいもを包丁で角切りにしていく。
とんとんとん。とリズムよく奏でられる包丁とまな板の仕事が耳に心地よく入っていく。
人参とじゃがいもは小さめに刻む。
サイコロのようにコロコロとした形が可愛い。
「ラドゥ、野菜好き嫌いあったかな」
料理をしていると自然と機嫌がよくなって歌うように口にした。
「ないぞ」
「わああっ」
急に真後ろで聞こえたその返事に私はあやうく包丁を落としそうになった。
「危ない」
ラドゥは私の右手を支えた。ふわりと鼻をくすぐるラドゥの香り。少しレオとストラスと似ている。
重ねられた手はストラスのように白いけれど男らしくごつごつしていて、意識した途端に心臓がうるさくなった。
「どんくさいな」
誰のせいで危なくなったのか分かっているのだろうか。
「ラドゥ! 寝てなきゃっ」
「お前に任せたらキッチンが破壊されるかと思って見に来た……。大丈夫そうだな」
ラドゥは黒いシャツをはだけて胸を少し見せながら、ふらふらと体を揺らす。
「料理は好きなの。よくやってたから心配しないで、向こうで寝てて」
くいっと首を振ると、ラドゥは口元を緩ませた。
「わかった」
なぜか嬉しそうな顔をしておぼつかない足取りでキッチンから出て行った。
私はひとつ息を吐き出すと、鍋に油をひき玉ねぎを炒め始めた。
