
異種間恋愛
第6章 アスリアス王国の秘密
声を殺すこともなく幼い子供のように泣きじゃくっている。
ストラス、泣かないで……。
私はストラスのほうへゆっくり歩いて行った。
「ストラ?」
私が座り込むストラスの正面に立つと彼は顔をあげた。
灰色の瞳が驚きで見開かれたがすぐに満面の笑みになった。一寸のくすみもない純白の笑顔。
単純に美しいと思った。
ストラスは何も言わないで私の顔にじっと見入った。私は不思議に思って首を傾げるとストラスは目を細めますます熱心に見つめ始めた……と思ったらゆっくりと右手をこちらに伸ばしてくる。
私の頬にいまにもストラスの細い指が触れそう……。
「んっ」
冷たい骨ばった指を頬は期待していたのに、それは柔らかくふさふさした毛玉だった。
「おい!おいっ」
「ストラス?」
周りを見回してもストラスの姿はない。
というか、何故私はこんな草木が生い茂った場所にいるの?目の前には美しい泉がある。
「はあ?」
じょじょに頭が目覚めていく感覚を味わいながら私を起こしたライオンの顔を見つめた。
なぜか安心できた。
「あ、おはよお」
「おはようじゃない。遅いと思って見にきたら倒れてて……びっくりした。寝てるとは思わなかったぞ」
私は誤魔化すようにへへっと変な笑い方をしてみた。レオがさらに不機嫌な顔になった。
「夢を、見てたのか?」
「うん。まあ」
「そうか」
レオは私のことに干渉してこない。質問もほとんどしない。この森に来た詳しい訳も、いつまでいるのかも全然聞かない。それは嬉しくもあり、少し寂しくもあった。
でも、それは私も同じだ。レオが話したくなさそうなことは何も聞かないようにしていた。
私の場合は聞いても答えてくれなかった時のことが恐いからだ。心を許してもらっていないという事実を受け止めるのが恐い。
ストラス、泣かないで……。
私はストラスのほうへゆっくり歩いて行った。
「ストラ?」
私が座り込むストラスの正面に立つと彼は顔をあげた。
灰色の瞳が驚きで見開かれたがすぐに満面の笑みになった。一寸のくすみもない純白の笑顔。
単純に美しいと思った。
ストラスは何も言わないで私の顔にじっと見入った。私は不思議に思って首を傾げるとストラスは目を細めますます熱心に見つめ始めた……と思ったらゆっくりと右手をこちらに伸ばしてくる。
私の頬にいまにもストラスの細い指が触れそう……。
「んっ」
冷たい骨ばった指を頬は期待していたのに、それは柔らかくふさふさした毛玉だった。
「おい!おいっ」
「ストラス?」
周りを見回してもストラスの姿はない。
というか、何故私はこんな草木が生い茂った場所にいるの?目の前には美しい泉がある。
「はあ?」
じょじょに頭が目覚めていく感覚を味わいながら私を起こしたライオンの顔を見つめた。
なぜか安心できた。
「あ、おはよお」
「おはようじゃない。遅いと思って見にきたら倒れてて……びっくりした。寝てるとは思わなかったぞ」
私は誤魔化すようにへへっと変な笑い方をしてみた。レオがさらに不機嫌な顔になった。
「夢を、見てたのか?」
「うん。まあ」
「そうか」
レオは私のことに干渉してこない。質問もほとんどしない。この森に来た詳しい訳も、いつまでいるのかも全然聞かない。それは嬉しくもあり、少し寂しくもあった。
でも、それは私も同じだ。レオが話したくなさそうなことは何も聞かないようにしていた。
私の場合は聞いても答えてくれなかった時のことが恐いからだ。心を許してもらっていないという事実を受け止めるのが恐い。
