
異種間恋愛
第1章 告白
生まれた時から周りにちやほやされ、欲しいものはなんでも手に入れることができ、どんな人でもストラスが望めば全てを彼に奉げる。
そんな彼はきっと今まで誰かを妬んだりすることがなく純粋な感情しかないのが当たり前だったのだろう。
それが、少しのきっかけで黒いものが生まれ、戸惑ったに違いない。
そして、その黒い渦は真っ白な彼の中では非常に目立ち、純粋な彼は時折純粋であるがゆえに真っ黒に染まったのではないだろか。
一秒もかからない間で私はストラスの今までの行動を見直しながらそんなことを考えた。
「それは嫉妬よ。誰にでもあるものなの。ストラだけじゃないわ」
「でも、僕はこの黒いものを上手く付き合ってはいけない。いつかきっと君を本当に……この手で……」
そう言い、ストラスは自分の女性のように美しい手を広げまじまじと見つめた。
灰色の髪の毛が彼の顔の輪郭をなぞる様に揺れる様子は風もが彼の美しさを認め、少しでも彼に触れようとしているようだ。
美しい肌に余分なものが一切ついておらず、切れ長の瞳は髪と同じ色で見つめられると吸い込まれるように魅入ってしまう。
鼻筋の通った鼻に下唇がやや膨らんだ口も申し分なく、初めて彼を見る者は感嘆の溜め息しか吐けなくなる。
