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異種間恋愛

第1章 告白

 太陽が私たちの真上にあり、容赦ない日差しを与えてくる。
「お兄ちゃんのように慕ってたけれど、そうしなければストラが困ってしまうでしょ?私に嫌がらせする女の子たちから守ってくれるのも大変そうだったの見てたもの。私をどんなに大切に思ってくれているのか分かってるつもりよ。そんなあなたが私の両親を殺しただなんて信じられないけれど、なにか事情があったなら私はあなたを非難したりしない。お願い、話し……ん……」
 ストラスが急に顔をくしゃりと歪めたかと思うと私はストラスの腕の中にいた。
「……ごめん」
 耳元でいつもの優しい声が囁かれ、私は安心して肩の力を抜いてされるがままにしていた。
 どれくらい時間が経っただろう、きつく抱きしめられすぎて両腕の感覚がなくなってきた頃ようやくストラスの身体が離れた。
「僕は自分が恐ろしいんだ……。今朝、君が見た目が良い男と仲良さそうに喋っていたかと思うと身体を引き寄せられていただろう?それだけで男を殴り倒して、そのうえリアを……」
 今朝、カイに言い寄られ断ると強引に抱き寄せられた。
 すぐに突き離して逃げたのだけどあの時のことを見られていたのだ……知らなかった。
「それで急にあんなことを?」
「リアが悪くないことは分かっていた。でも、リアを傷つけたくて仕方がない衝動に襲われていたんだ。他の男に触れられた君が顔を歪めて泣きじゃくり嗚咽を漏らす姿を見たくて仕方がなくなった。自分でもこんな感情を持つなんて信じられなかった、けれどリアが美しく可憐に成長するにつれ他の男が周りに集るのを見てから時々こんな残酷で禍々しいものが生まれるようになったんだ」
 美しくも可憐でもないことを自負しているだけに、ストラスの言葉には耳を疑ったがさらに驚いたのはストラスが嫉妬という感情を持つことがあるということだ。

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