契約彼氏
第6章 *好き...
「っぶねー・・!!
なにすんだよ急に!」
「誰がまんまと引っかかったわけ?
誰が諦めてないって?勘違いしないで!!」
最後の一段を踏み外し転びそうになった陽飛が咄嗟に壁に寄りかかった。
それに詰め寄る美玲の目は真剣だった。
「鈍感。」
「は?」
「どんだけ鈍いの。
あんな男のために可愛くなったって惨めなだけでしょ。」
「じゃあ今までの努力は何だったんだよ。髪型まで変えて・・・・」
「全部夏目くんのため!!」
「・・・僕、のため?」
きょとんとした表情は仔犬のようで、つぶらな瞳で美玲を見つめた。
「私が好きなの、夏目くんなの。」
「僕・・・?どうして?」
この状況が理解できないのか、こんなに動揺してる夏目くんを初めて見た。