契約彼氏
第6章 *好き...
「痛いでしょ?」
「もう慣れっこだよ。」
「ダメだよ。ちゃんとケアしないと。」
「だって塗ってもまたすぐシャンプーとかお客さんの髪乾かしたりするから意味ないんだもん。」
「防水用のとか使ったら?このままじゃ治り悪くなるよ。」
差し出された陽飛の手にハンドクリームを乗せた美玲。
「はい」
「ーー?」
「塗って」
「え?」
「美玲ちゃん塗って。」
手の甲にハンドクリームが乗ったまま差し出された。
「もう、子供じゃないんだから。」
「いいじゃん。これくらい。」
手を包み込むようにしてハンドクリームを塗り伸ばすと、指一本一本まで念入りに塗っていく。