契約彼氏
第3章 *越えた一線...
「待ってよ!冗談じゃん!」
年上をからかうなんて信じらんない。
両替のお客さんと銀行員の立場でいれば良かった。
あーなんで関わっちゃったんだろ・・・
後ろから聞こえる声を無視して歩き続ける。
「・・・松野さん!」
「―――!?」
自分の名前を呼ばれて反射的に立ち止まってしまった。
ゆっくり振り返ると満面の笑みで駆け寄ってくる彼。
「やっと止まった。笑」
彼の笑顔には敵わない。
金髪が似合う色白に、王子様のように整った顔立ち―・・・
背はそんなに高いわけじゃないけど、それがまた彼の可愛さを引き立てる。
「なんで私の名前・・・・」
「名札見てるもん。
そりゃ知ってるよ!」
自信満々な回答に返す言葉がない。