契約彼氏
第3章 *越えた一線...
結局、夏目くんからの連絡は土曜日も日曜日も来なかった。
もちろん、亮ちゃんからも―・・・
「いらっしゃいませ。」
迎えた月曜日、
今日も店内は混雑する。
・・・あ、
座って待ってるお客様の中に一際目立つ金髪の姿に手の動きが止まった。
彼は番号札を片手に携帯をいじりながら順番を待つ。
あの金髪を見つけただけで胸が高鳴る私、どうしちゃったんだろう―・・・
話したい。会いたい。
ただのお客様なのに、そう思う気持ちが強くなる。
夏目くんのことを考えたって、私には処理しなきゃいけない仕事が山ほどある。
目の前で待つお客様を少しでもお待たせしないように出来る限りのスピードで業務をこなす。
お客様にお返しをしたら、また次のお客様をお呼びする。
~~♪
《お待たせいたしました。
番号札43番でお待ちのお客様、11番窓口にお越しください。》
「番号札43番でお待ちの・・・・」
これだけは奇跡だった。
今日は私が夏目くんを引いた。