
契約彼氏
第3章 *越えた一線...
パチッと明るくなった部屋に今度は眩しくて目を瞑る。
数回瞬きをして慣れてきた頃、ここが女の子の部屋であることに気が付いた。
ドアをゆっくり開けると慎重に辺りを見回し、廊下らしき外へ踏み出した。
一通りの電気を1つ1つ、つけて歩く。
リビングで立ち尽くし、この状況を考えていた時・・・・
「美玲ちゃん?」
後ろからの声にビクッと体を震わせた。
「っ・・夏目くん!!」
「寝られなかった?」
寝ぼけ眼にボサボサの髪、THE部屋着の夏目くんに一気に安心感を抱いた。
「もう驚かさないでよー・・・・
ここ、どこかと思ったじゃん・・・」
「ごめん、だってタクシーの中で寝ちゃって起きないから。
美玲ちゃん家知らないし、僕ん家泊めるしかないかなって思って。ちょうど姉ちゃん名古屋帰ってていなかったし。」
あの部屋の雰囲気に、自分の服装を見て、ハッと気付いた。
「これ、お姉ちゃんの?」
「うん。寝かせた部屋も姉ちゃんの。
まさか僕の部屋で一緒に寝るわけにはいかないっしょ?笑」
なんだか無性に安心しきったのか、その場の床に座り込んだ。
