契約彼氏
第3章 *越えた一線...
「だめ・・・!
私仕事なんだから・・・」
「ちぇっ・・・
あ、でも僕も両替に行くから会えるよね?」
その瞬間にハッとして今の状況を考える。
私、お客さんと寝ちゃったんだー・・・
「美玲ちゃん?どしたの?」
「あーもう!ばか!」
「美玲ちゃん!?」
顔を拭いたタオルを投げつけると部屋に戻って、昨日着てたワンピースに着替える。
ダメだ、私ー・・・・
何しちゃったんだろう。
今更ながら自己嫌悪に陥ると、力なくベッドに腰かけた。
シワの寄ったシーツに、枕元で丸まったティッシュの山、無造作に置かれた避妊具の空袋が昨日の情事をリアルに物語るー・・・
「美玲ちゃん・・・」
「・・・?」
ゆっくり開けた部屋のドアからこっそり顔を出して様子を伺う夏目くん。
申し訳なさそうな表情で見つめてくる。
「大丈夫・・・?」
「うん、平気。」
亮ちゃんにフラれたからって私まで他の男の人と寝たりして、これじゃ私も亮ちゃんと何も変わらない。
好きでもないのに、付き合ってもないのに、あんなに感じたりして・・・・
昨日の夏目くんみたいに亮ちゃんも他の子の中で果てたりしてたんだ。
「・・・仕事行ってくる。」
「あ、美玲ちゃん!」
なんだか男の人が嫌になって、考えただけで気持ちが悪くて・・・・
感情なんてなくてもSEXできるもんだなって思った。