契約彼氏
第4章 *イメチェン..
『うちの陽飛とどんな関係なんですかー?』
「由季さん、その母親みたいな言い方やめてくださいよ。」
『え、あっごめん。笑
ペットのつもりで言ったんだけど。』
「うわ、最低だわー。
ね?美玲ちゃん、由季さんヒドイでしょ?
僕の指導員なのに僕のこといじめるんだよ。」
「えー、そうなんだ・・・」
サービスでヘッドスパをしてくれてる由季奈さんと、シャンプーを詰め替えたりタオルを畳んだり、隣で準備をする夏目くん。
2人の様子を見てたら、このお店の雰囲気がなんとなく伝わってきた。
『美玲ちゃんは陽飛と同い年ですか?』
「いえ、2個上です。」
『え、そうなんですか?
じゃあ陽飛とは何処で・・・
えっ!まさか、ナンパ!?』
「いやいやいや!
僕がナンパできるような性格じゃないの由季さん知ってますよね?」
『ほんとにごめんね。
強引だったでしょ?嫌な思いさせちゃったよね。」
「いや、だから・・・
もうっ美玲ちゃんからも言ってよー!」
ヘッドスパの気持ち良さで瞼がゆっくり閉じられる。
頭上から聞こえる会話が段々と遠くなっていく。
『あら、寝ちゃったよ。この子。』
「さすが由季さん、ゴットハンド!」
『あんたまじでこんな可愛い子どこで見つけてきたのよ。そこら辺に落ちてるようなレベルじゃないよ、この子は。』
「それが落ちてたんだよ。ビルとビルの隙間に。」
『陽飛、正気なの?」
遠い目をして美玲を見つめる陽飛を由季奈はジッと見た。
「彼女とは契約してるから。
お互いに辛いのから脱しようって。」
『・・・ふーん。
まぁなんでもいいけど。』
美玲の頭をゆすぐと後ろからタオルを取った。