契約彼氏
第5章 *葛藤...
「ここだ、入ろ!」
繁華街の一角にある地下のクラブへと入っていく陽飛を美玲は戸惑いながらも追いかける。
「わ、すごい人・・・」
「はぐれないでね。」
さりげなく握られた手に全神経が集中して、爆音が響き鳴る室内とは思えないくらいに外の音が遮断された。
『陽飛?』
「ーー?
っ、志織!」
『久しぶり!!
やだ、相変わらず超イケメンなんだけどーっ!!』
美玲の手を咄嗟に離した陽飛は派手目な女の子と盛り上がる中、あまりの人混みにどんどん離れていってしまう美玲ー・・・
「夏、目くん・・・っ!」
『あれ、陽飛どこで働いてんだっけ?』
爆音と賑やかな周りの声に美玲の言葉は簡単にかき消された。