
先生達の大人な悪戯
第1章 日常茶飯事だから
彼女の名前は《生口 珠恵 》いぐち たまえ。
昨日、 あたしの秘密を見ちゃった子。
あたしは一瞬ペロリと舌を出した。
さぁーて、 今夜の獲物に罠を仕掛けましょうか。
「 それがさ、 昨日体育倉庫で‥『 こら、 もうすぐ授業始まるよ三人とも 』
珠恵はあたしを見ると、バツが悪そうに俯いた。
分かりやすい反応。 寧ろ可愛いくらいだよ。
珠恵の隣にいる二人に軽く微笑みかける。
「 やばー、 先生ありがとー 」
『 いえいえ、 それより早く行きな 』
「 はあーい 」
気だるそうに挨拶する二人に、 急いでついて行こうとした珠恵の腕を掴む。
『 珠恵ちゃんは、 ちょっと話があるから。 ごめんね二人共、 次の授業はなに? 』
二人は首を傾げて、 不思議そうに答える。
「 世界史ですけど? 」
…………世界史、 ね。
『 橘先生か、 だったら橘先生には私から言っておくから珠恵ちゃんは少し遅れるって伝えといてくれないかな 』
珠恵ちゃんが俯き少し震えて居るのが分かった。
