合縁奇縁〜ついてまわる運命〜
第2章 居場所
「保護者の皆様、新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。そして、この南沢学院高等学校で充実した学園生活を送ってください。これで、祝辞とさせて頂きます。」
理事長の祝辞は思ったより短く、入学式も終盤に差し掛かった。席を立って講堂の外に出る。そこに広がるのは東京の外れにしてもかなり珍しい光景である。講堂の隣にある体育館のまわりには一面の芝。10メートル先にはサッカーピッチ2つ分のへこみがあった。その更に先にはテニスの王様が立つコートや野球少年の愛するダイヤモンド。そのサッカーピッチに足を踏み入れたら、芝が綺麗に手入れされているのは一目瞭然である。ピッチの真ん中に座り込んだところ、後ろからの声に驚く。
理事長の祝辞は思ったより短く、入学式も終盤に差し掛かった。席を立って講堂の外に出る。そこに広がるのは東京の外れにしてもかなり珍しい光景である。講堂の隣にある体育館のまわりには一面の芝。10メートル先にはサッカーピッチ2つ分のへこみがあった。その更に先にはテニスの王様が立つコートや野球少年の愛するダイヤモンド。そのサッカーピッチに足を踏み入れたら、芝が綺麗に手入れされているのは一目瞭然である。ピッチの真ん中に座り込んだところ、後ろからの声に驚く。