えっちな妄想は生きる糧。
第2章 カレ×カノ@彼氏の部屋で
「雄大くん…ホントにこんな(立派な)トコに住んでるの…?」
バスケか何かが出来そうなくらいに広いリビングに雰囲気が統一された高そうでスタイリッシュな家具。
庶民のあたしには、こんなスゴいのなんてテレビの中だけの世界かと思ってた…。
でも雄大くんは会社の跡取り息子だし、大学出てからお父さんの手伝いしていっぱいお給料貰ってるから当たり前なのかな…。
「俺はもっと小さいアパートとかでもいいんだけど、親父がそれなりに良いとこ住めってうるさくて…疲れるんだよなぁ…」
「へぇ…大変なんだね」
雄大くんの、偉いしスゴいのに、全然威張ってなくて謙虚なとこ、好きだなぁ。
あたしはソファーの前に置かれた、ファッション雑誌や新聞が置かれたままになっているフロアテーブルの前に腰を下ろした。
「ソファーに座ってもいいのに」
雄大くんはそう言って笑いながら、あたしの背中が脚の間に収まるようにソファーに腰掛けた。
「風香…」
低くて、でも少し上擦ったような切ない声。
その声にドキッとして振り返ろうとすると、そのまま抱き締められた。