えっちな妄想は生きる糧。
第3章 先輩×後輩@部室で
金曜日の放課後は、1年であるうちがグラウンドにある部室の鍵当番だ。
とっくに空が真っ暗になり肌寒くなった今、先輩方は全員帰っていて、1・2年も道具の片付けをし終え帰る仕度をしていて、あとはうちが点検をして鍵を閉めるだけ。
だけど…。
「琳果」
1人で誰もいない部室の椅子に座ってソフトボールを手でコロコロと玩んでいると、いきなり後ろから抱き締められた。
逞しい腕と、土っぽい汗の匂い。
「わ…っ!!ビックリしたよ、和真くんっ♪」
振り返ると、やっぱり和真くんだった。
扉を開けっ放しにした上に、扉に背を向けて座っていたせいで全く気が付かなかった。
去年新しく造ったくせに電気が通っておらず、外の野球場にあるナイター設備の光しか入ってこない薄暗い部室の中で、和真くんの目を細めて笑う顔がぼんやりと浮かんで見えた。
「待った?」
「ううん♪和真くんレギュラーだし、大会近いし、忙しいのに来てくれて…嬉しい!!お疲れサマ」
うちは、野球部の副主将である3年の先輩・和真くんにベタ惚れだ。
だって…だって…。
「ありがと。琳果…もう、可愛すぎだろ!!」
和真くんが、うちのこと大好きだから!!